Apple vs Google──UI戦略とAIの位置づけ

※この記事は、ChatGPTとの継続的な対話を通じて思考を整理しながら得られた気づきをもとに書いています。僕自身がAIとUIの未来について考えを深めていく過程の記録でもあります。


AppleとGoogleのUI戦略の全体構造

GPTによると、2024〜2025年にかけて、AppleはVision ProとvisionOSを中心に空間UI(Spatial UI)へのシフトを加速させ、GoogleはGeminiやAndroidの統合を進めるなかでAI主導の体験に注力してきたようだ。

Appleの方向性は一貫しており、「ユーザーが身体的に操作できるUI」を突き詰めてきたらしい。iPhoneのタッチUI、Apple Watchのジェスチャー操作、そしてVision Proでは空間内の視線・指先による操作に進化している。

対してGoogleは、ユーザーの操作を代替する存在としてAIエージェントを育ててきたとされている。Geminiを通して、ユーザーは“何をしたいか”を言語で伝えるだけで、AIが最適なアクションを代行する構想のようだ。

この違いは次のように言い換えられるかもしれない:

Appleは“UIの中でAIを使う”が、Googleは“AIの中にUIを内包する”


両社におけるAIの位置づけの違い

AppleにとってのAIは、UIを円滑にするための補助的な仕組みとして使われているように思う。たとえば、通知が来たときに「このユーザーはいつもこのアプリを開く」といった習慣を学習し、自動的に候補を提示する。しかしそのAIは、裏側で静かに働き、表には出てこない

一方、GoogleのAIは積極的に前面に出て、ユーザーに「今これをしましょうか?」と提案する。Geminiは「能動的なエージェント」として、ユーザーとの対話を通じて行動するという印象を受けた。

Appleは操作の心地よさを守るためにAIを静かに使い、Googleは操作の効率化を目指してAIを主役に置いているように感じる。この違いが戦略の根底にあるのかもしれない。


ユーザーにとって心地よいインターフェースとは?

人間のコミュニケーションは、必ずしも言語だけで成り立っていない。目線やジェスチャー、表情といった非言語的情報が大半を占めるとも言われている。

Appleの空間UIはまさにそこにアプローチしているように見える。ユーザーが身体を使ってデバイスに意図を伝える。これは、タップや音声よりも“先に来る動き”を捉えることで、より自然な操作体験を実現しようとしているようだ。

一方で、Googleのアプローチは「複雑な意図を言葉で伝えること」に優れているように思う。曖昧なタスクや複数アプリをまたぐような処理には、言語的な操作が強力な手段になると思う。

つまり、単純な操作=Appleが有利、複雑な操作=Googleが有利という補完的な構図もあるのかもしれない。


AIが行う複雑な操作とは?

AppleとGoogleのAI活用は、操作の設計思想において明確な違いがあるように思える。

Appleは、AIをユーザーの行動を補助するために使っている。たとえば「いつもこの時間にこのアプリを開く」という習慣を学習し、候補を出すといった具合だ。操作はあくまで人間が主導する

一方Googleは、AIがユーザーの意図を汲み取って操作まで担う。ユーザーは“やりたいこと”を言えばよく、実際の手順はAIが代理でこなす構想のようだ。

このアプローチの違いは、複数アプリをまたぐような複雑な操作で顕著になるように感じた。

たとえば、「カメラで写真を撮って → 加工アプリで編集して → インスタで投稿する」というタスクを考えてみる。

  • Apple方式では、「ユーザーが写真を撮ったら加工アプリを提案する (もしくは開く)」「加工アプリで写真を保存したらインスタグラムやLINEを提案する」ということはするかもしれないが、「そのアプリを開くのかどうか」や「そのアプリ内での何を操作するのか」はユーザーがそれぞれのアプリで明示的に示さないといけない。
  • Google方式では、「写真を撮って加工してインスタに投稿して」と伝えるだけで、AIがカメラ・加工・投稿を一連で代行してくれる可能性がある。

僕はこのような、ユーザーの意図に沿ってAIが一連の体験を提供するUXには、非常に高い価値があるんじゃないかと思う。

そして、もしこのGoogle的なアプローチが主流になるならば、アプリの「User Interface」における“User”の対象は、人間だけではなくAIエージェントも含むことになるんじゃないかと思う。


「AIもまたユーザーである」という新たな前提

これまで“ユーザー”といえば人間だった。しかし今後、アプリを操作するのが人間だけではなく、OS内のAIエージェントになる時代が来るかもしれない。

このとき、AIが操作しやすいUI設計(たとえば明示的な構造、状態のトラッキング、セマンティックな意図定義)が重要になるように思う。

つまりこれからのUXは、**人間だけでなくAIにとっても“理解しやすく、操作しやすいもの”**でなければならないのかもしれない。

Appleはその構造をvisionOSの中で整備し始めているらしく、GoogleはAndroid IntentsやGemini ActionsでAIによる操作の枠組みを整えてきているとされている。


インターフェースの定義が揺れ動く時代へ

Appleは、AIエージェントを操作対象として見据えたAppIntentsの整備を進めているらしいし、Googleも空間UIや3Dインターフェースへの試験的な導入を始めているらしい。

つまり、両社は最終的に同じ方向に収束しつつあるように見える。

ただし、僕は次のように感じている。3D UIは主に娯楽やシミュレーションなど特定領域で価値を発揮するのに対し、AIエージェントは日常のあらゆるシーンでUXを根本から変える可能性を持っている。

そのため、今後UIが進化するうえでより重要なのは、おそらくAIエージェントとの共存を前提としたUX設計ではないかと思っている。

そう考えると、人間だけでなくAIも含めた「ユーザー」という概念の再定義を求められているんじゃないかと感じている。